YouTubeのライブ配信で横画面に加えて縦画面も配信する方法
YouTubeのライブ配信で従来の横画面に加え、縦画面も同時に配信できるようになりました。
でも標準設定だと、横画面の真ん中を切り抜いた配信になります。画面サイズは横画面(1920px x 1080px)、縦画面(1080px x 1920px)です。切り抜きは横画面の縦1080pxを基準にしているようです。そのため画面比率的に縦画面は横画面の中央600px、つまり真ん中基準で左右に300px程度が配信対象です。横画面の三分の1に満たないサイズしか切り抜かれないため、標準の切り抜き配信したら基本的に全くわからない配信画面になりがちです。そのため縦画面用に画面を作って配信することが必要になってきます。
ちなみに、私は勘違いしてたのですが。。。スマホで見たら縦画面になると思ってました。実は違うんですよ、ショート動画の分類になってライブ配信中になります。モニターのために手持ちのスマホで見ても横画面しか出てこなくて、でもYouTube Studioでは配信状況が良好になってる。「なぜスマホで見てるのに視聴できないんだぁ~~~!」ってパニックになってました。落ち着いて色々調べたら同時に配信される縦画面はシート動画になっているという事が分かったので、ショートで探したのですが見つからず。誰も見てないって思いこんでたら、配信終了後にYouTubeのアナリティクスで確認するとスマホ視聴回数が通常の倍以上に増えた!?なんともでうれしい誤算でした。
縦画面専用画面を配信するには
普通にYouTube Studioでライブ配信の予約をしてください。
ここからの説明は、ライブ配信をYouTube Studioで予約し、ストリームキーを使ってOBSと連携する手順が分かっている人向けです
ライブ配信の設定
「デュアルストリーム[新機能]」が縦画面を同時に配信する機能です。デフォルトではオンになっています。オンになっている場合は、画面上部に横画面と縦画面の二つが表示されています。まだ配信していないのでどちらの画面にも「ライブ配信を開始するには、エンコーダーを接続してください」と表示され黒い画面になっていると思います。とりあえず横画面の右隣に縦画面が出てきていればOKです。
縦画面を「エンコーダ」に切り替え
デュアルストリームがオンになっていると、縦画面は「自動切り抜き」になっていると思います。先ほど話した横画面を強引に縦画面に切り抜いてショート動画で配信される設定になっています。
これを専用の縦画面として配信するためには「エンコーダ」に切り替える必要があります。
切り替えるとYouTube Studioがバックグラウンドでエンコーダ配信用に切り替え処理を行います。ここで重要なのはエンコーダとOBSを接続するために「ストリームキー」を設定する事です。私の環境では縦画面配信用のストリームキーが「Vertical Stream Key」の名称で作成されました。これは横画面のストリームキーとは別のものを指定しないといけません。
縦画面用ストリームキー「Vertical Stream Key」の使い方
よくあるコピーアイコンがあると思うので、それをポチってするとクリップボードにコピーされます。いつでもコピーできるのでYouTube Studioの配信管理画面でストリームキーは取得できると覚えておいてください。
OBSでの対応方法
専用の縦画面をOBS Studioで対応するためにはプラグインを使う方法と使わない方法の二つで対応できます。
プラグインを使う方法
OBS StudioのプラグインにAitum Verticalというものがあります。
私はこの方法は使わなかったのでひとみマンさんが出されている以下の解説動画で設定してくださいw
配信者として非常にためになる動画をたくさん出されており、プラグインなどは状況が変わるたびに情報をアップデートされていますのでこの方の動画を抑えるだけでかなり知識が付きます。
プラグインが使えない状況
私はなぜプラグインを使わなかったかというと、MARKET HERALD NOWの相場配信はOBS Studioの自動操作をしているからです。具体的にいうとPythonでスケジューラを作成し、時間に合わせてPythonからOBS StudioのWebSocketサーバにコマンドを送信して操作しています。
今回のAitum Verticalでは縦画面専用のVerticalシーン・Verticalソースが追加され縦専用画面を管理します。残念なことにAitum VerticalはWebSocketサーバに対応していなくて外部からOBS Studioを操作することができないそうです。そのためプラグインが提供しているVerticalシーンを自動操作してシーンを切り替えることができないという致命傷があり、私はそのために利用をあきらめました。
プラグインを使わない方法
ではプラグインを使わずにどう対応したのか?
ZIP版OBS Studioを2つ導入+ポータブルモード起動
Geminiに5時間惑わされながら、たどり着いた構成要件は以下の2点。
- ZIP版OBS Studioを2つ導入
- 各OBS Studioはポータブルモード起動
1台のWindows端末で2つのOBS Studioを自動操作する場合の問題点
ほとんどの方はWindows用のインストール版OBS Studioを導入されていると思います。インストール版でも複数のOBS Studioを起動することができます。1つは普通に立ち上げ、その後もう一度立ち上げるとすでに立ち上がっていると警告は出ますが2つ目を立ち上げることができます。また立ち上げオプションに"--multi"を付与すると警告なしに複数のOBS Studioを立ち上げることができます。
立ち上がったOBS Studioはそれぞれでプロファイルやシーンコレクションを管理できます。プロファイルが別にできるという事はYouTubeに複数接続できる。先ほどのストリームキーは複数立ち上げてプロファイルを切り替えることで別々に管理できるという事です。なので横画面用プロファイル・シーンコレクションと縦画面用プロファイル・シーンコレクションを用意し、OBS Studioを立ち上げて適切なプロファイル・シーンコレクションを使う事で配信まではできるようになります。
一般的な使い方ならばこれで問題なしなのですが。。。
WebSocketサーバを使う場合はここで問題が発生します。なぜならばWebSocketサーバは最初から入っているプラグインとして扱われ、プロファイルの切り替えで設定を切り替えることができないからです。
プラグインの設定はインストール環境で1つの設定しか保持できません。デフォルトではWebSocketサーバはサーバポート:4455で立ち上がります。このポートを立ち上げたすべてのOBS Studioが共有してしまいます。つまり最初に起動したOBS StudioのWebSocketサーバは4455ポートで立ち上がります。しかし二つ目のOBS StudioのWebSocketサーバも4455ポートで立ち上がろうとするものの、すでに一つ目のOBS StudioのWebSocketサーバがポートを占有しているためWebSocketサーバが立ち上がりません。立ち上げた2つ目のOBS StudioのツールからWebSocketサーバの設定でポートを4456に変更するとうまく2つのWebSocketサーバを立ち上げられたように見えるのですが、これは1つ目のOBS StudioのWebSocketサーバの設定も変更したこととなりやはりWebSocketサーバを2つ立ち上げることができないのです。
これはOBS Studioの設定管理がWindows標準のRoming環境で管理されているからです。OBS Studioを通常起動するとWebSocketサーバの設定は以下のJSONファイルでインストール環境共通で管理されます。
C:\Users\masak\AppData\Roaming\obs-studio\plugin_config\obs-websocket\config.json
つまり複数立ち上げると2つ目以降のOBS Studioは自動操作できないという事です。
WebSocketサーバを複数立ち上げるための条件
プラグインの設定を立ち上げたOBS Studio単位に管理するにはWindowsのRoming機能を使わず複数のOBS StudioをWindows環境に構築する事です。これを実現するモードがOBS Studioにはポータブルモードとして用意されています。
本来ポータブルモードというのはUSBメモリにZIP版OBS Studioをインストールし、どのPCからでも同じUSBでOBS Studioを立ち上げると環境が持ち運びできるという機能です。配信する場所が自宅と事務所の2つあり、PCもそれぞれの場所に2台ある。この場合、自宅と事務所のPCにインストール版OBS Studioをインストールししまうと、手作業でプロファイルとかシーンを同期させる必要があります。メインは事務所での配信、日々の配信でシーンの改善を行った場合、自宅のシーン設定は古いままです。同期をとりたければ事務所のOBS Studioで変更した内容と同じことを自宅のOBS Studioにも設定する必要があります。でもそれってほぼ不可能ですよね?USBメモリに環境を構築して持ち歩けば手間なく同じ環境で配信ができますよという機能です。
本筋ではない説明に時間を割いてしまいましたが、ポータブルモードというのはインストール環境にプロファイル・シーンコレクションが閉じ込めることができるのです。通常機能による実行ユーザのRoming機能に依存した管理から脱却できるという事です。
具体的には横画面用OBS Studioと縦画面用OBS StudioをZIP版で用意たそれぞれのOBS Studioをポータブルモードで起動することで、独立したプラグイン設定を管理できることでWebSocketサーバのポートを別々に管理できるようになるという事です。
インストールの仕方
インストールの仕方を簡単ですが
OBS Studioの公式ダウンロードサイトからZIP版をダウンロードします。
ZIPファイルを解凍します。
ZIPファイルを適当なフォルダに移動させ横画面用OBS Studioの環境を構築します。
私はDドライブが配信環境用ドライブなので以下の構成にしました。
D:\OBS_Stream\OBS_Horizontal
ポータブル起動の設定をします。具体的にはOBS Studioのルートディレクトリに"obs_portable_mode"という空のファイルを用意します。
D:\OBS_Stream\OBS_Horizontal\obs_portable_mode
この時点でOBS Studioのルートフォルダは以下のように3つのフォルダと1つのファイルで構成されていると思います。
D:\OBS_Stream\OBS_Horizontal\bin\
D:\OBS_Stream\OBS_Horizontal\data\
D:\OBS_Stream\OBS_Horizontal\obs-plugins\
D:\OBS_Stream\OBS_Horizontal\obs_portal_mode
ここまでで横画面用OBS Studioの初期設定は完了しました。
このまま縦画面用OBS Studioの初期設定を行います。といってもすごく簡単でOBS_Horizontalフォルダを複製して縦画面用のフォルダ名に変更するだけです。
D:\OBS_Stream\OBS_Horizontal
D:\OBS_Stream\OBS_Vertical
縦画面用フォルダの中身は以下のように3つのフォルダと1つのファイルで構成されているはずです。
D:\OBS_Stream\OBS_Vertical\bin\
D:\OBS_Stream\OBS_Vertical\data\
D:\OBS_Stream\OBS_Vertical\obs-plugins\
D:\OBS_Stream\OBS_Vertical\obs_portal_mode
これでインストール作業のは完了です。
初期起動して設定を変更していきましょう。
横画面用OBS Studioの初期設定
初期設定でやるべきことはWebSocketサーバを有効にしてポート番号を割り当てることです。
OBS Studioを立ち上げるために以下のファイルをエクスプローラで右クリックして「送る > デスクトップ(ショートカットを作成)」で、デスクトップのアイコンから起動できるようにします。
D:\OBS_Stream\OBS_Horizontal\bin\64bit\obs64.exe
デスクトップにアイコンが出来たら「横配信」などわかりやすい名称に変更してください。名称変更が終わったらクリックしてOBS Studioを立ち上げます。
OBS Studioが立ち上がったら、全く何も設定されていない素の状態だと思います。既存のOBS Studioからプロファイルとシーンコレクションを移行してください。移行作業にはOBS Studioのエクスポート・インポート機能を使うのが便利です。既存のOBS Studioでプロファイルとシーンコレクションをエクスポートし、それを新しく立ち上げたポータブルモードの横画面用OBS Studioでインポートするだけです。手順はGeminiなどAIに相談すれば手順を教えてもらえるので省略します。
横画面最後に一番大事なWebSocketサーバの設定を行います。
OBS Studioの「ツール > WebSocket サーバー設定」を選択し、「プラグイン設定」の「WebSocketサーバーを有効にする」のチェックボックスをオンにします。続けて「サーバー設定」の「サーバーポート」が標準設定の"4455"になっていることを確認してください。確認出来たら「適用」を押した後に「OK」を押してWebSocketサーバー設定ダイアログを閉じます。そしてOBS Studioを終了させてください。
ここまでで初期設定は完了です
必要に応じて「認証を有効にする」をチェックしてパスワード認証を有効にしましょう。ちなみに私はWindowsローカル環境なので認証は無効にしています。というのも、誤って「パスワードを生成」ボタンを押してしまうと強制的にパスワードが変更され元に戻せなくなるからです。「接続情報を表示」ではパスワードを表示できるのですが変更することはできず、一旦生成してしまえばもとに戻すことができません。なおJSONファイルを直接いじることで元に戻すことも可能みたいですが、そういうお行儀の悪い事は嫌いなのでやりません。
縦画面用OBS Studioの初期設定
続いて縦画面用OBS Studioの初期設定をやっていきましょう。こちらは簡単です。
OBS Studioを立ち上げる準備をします。横画面用OBS Studioと同様にデスクトップに専用アイコンを作りましょう。エクスプローラーで以下のファイルを選択して右クリック「送る > デスクトップ(ショートカットを作成)」で、アイコンを作り名前を「縦配信」などわかりやすい名称に変更します。
D:\OBS_Stream\OBS_Vertical\bin\64bit\obs64.exe
アイコンをクリックして立ち上げます。今回も全く何もない素のOBS Studioが立ち上がります。プロファイルの設定はYouTubeとアカウントでつなぐなど適当にやっておいてください。
OBS Studioの画面から「ツール > WebSocketサーバー設定」を選択してください。先ほどと同様にWebSocketサーバー設定ダイアログが表示されます。
「プラグイン設定」の「WebSocketサーバーを有効にする」にチェックを入れてください。
「サーバー設定」の「サーバーポート」はデフォルトの4455になっているはずなので、これを変更します。4456でよいと思います。
変更できたら「適用」を押した後に「OK」を押して設定ダイアログを閉じると設定が保存されます。
ここまで出来たらOBS Studioを終了してください。
正しく設定できているかを確認
以上で2つのOBS Studioで別々のWebSocketサーバーを立ち上げる準備ができました。
確認のため、以下のファイルをメモ帳などで開いて確認してください。
D:\OBS_Stream\OBS\Horizontal\config\obs-studio\plogin_config\obs-websocket\config.json
D:\OBS_Stream\OBS\Horizontal\config\obs-studio\plogin_config\obs-websocket\config.json
インストール時にはなかったconfigフォルダが作成されており、ポータブルモード用の設定が全て格納されているはずです。Roming機能のフォルダには設定が保存されていません。
config.jsonファイルの中身を確認すべきところは以下のマーカー部分です。
{
"alerts_enabled": false,
"auth_required": true,
"first_load": false,
"server_enabled": true,
"server_password": "xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx",
"server_port": 4455
}
横画面・縦画面ともに「Server_enabled」は「true」になっていること。「server_port」はこれまでの設定道理であれば横画面の設定ファイルは「4455」に、縦画面の設定ファイルは「4456」になっているはずです。
以上を確認することができれば初期設定は完了です。
OBS Studioを縦横に振り分ける
多くの方はOBS StudioでYouTubeのライブ配信をする場合は、「アカウント接続」で設定をしておられるのではないでしょうか?
この設定では1つのチャンネルで配信できるライブ配信は1つに限定されてしまいます。横画面・縦画面の2つ同時に配信することができなくなってしまいます。
それを回避するのがストリームキーを設定するです。
ストリームキーの設定
横画面用OBS Studioをデスクトップのアイコンから立ち上げます。
「設定」を押して設定ダイアログを表示させます。
左にある「配信」タブを選択すると右側に配信関連の設定項目が表示されます。
サービス
「YouTube - RTMPS」を選択してください。
「宛先」が変化すると思います。
宛先
サーバーは初期設定の「Primary YouTube ingest server」で変更在りません。
「アカウント接続(推奨)」と「ストリームキーを使用する(高度)」があります。何も考えずに「ストリームキーを使用する(高度)」をクリックしてください。
「ストリームキー」を入力する項目が表示されたはずです。右に「ストリームキーを取得」があるのでクリックするとブラウザが立ち上がります。立ち上がったブラウザは自分のYouTubeチャンネルの予約済みライブ配信が表示されているはずです。
横画面用OBS Studioには横画面のストリームキーを設定します。左側の横画面上にあるストリームキーの右隣のコピーボタンを押してください。クリップボードにストリームキーがコピーされますので、それをOBS Studioの配信設定に戻り「ストリームキー」にペーストします。
適用を押すとストリームキーが保存されます。これでYouTubeのライブ配信の横画面と横画面用OBS Studioの連携が完了しました。
同様に縦画面用OBS Studioにもストリームキーを設定すれば完成です。
今後はOBSから配信を作るのではなく、YouTube Studioの作成ボタンからライブ配信を予約してください。ストリームキーは使いまわしができるので、横配信用ストリームキーと縦配信用ストリームキーの設定を間違わなければ同時配信ができます。
縦画面を作る
あとは縦画面を作ればOKです。
画面サイズは1080px x1920pxが最適だと思います。
設定の「映像」で解像度の設定ができますので手入力してください。OBS Studioは縦配信が考慮されていないので、選択に出てくる候補は全て横画面です。解像度は手入力ができるので「1080x1920」と入力すればよいです。
適用とOKを押したら画面が縦長になったと思いますので、横画面のソースなどを張り付けるなどして縦用配置にしてください。
